三ヶ月たった。政府の方ではやるのに、テレビや新聞は、このままシラをきって逃げきる気か。いくら公式発表に従ったとはいえ、おまえらが垂れ流したのは、初日からまったくの大誤報だったじゃないか。放射能は直後からダダ漏れで、ドハデに大爆発は続くわ、五重のなんとかもぜんぶ底抜けにメルトダウンはするわ、鳴り物入りで駆けつけたフランスだの米国だの専門家チームも役に立たないわ、汚染水は結局、自分たちで海に捨てちゃうわ、ひとつたりとも報道どおりだったことが無いくらい、ひどい誤報だらけだ。

それもこれも、テレビや新聞が、ウラも取らず、疑いもせず、それどころか、喜々として政府と東電のケツ持ちをやったせいなのだから、そりゃもう報道機関として自殺行為だった。もうあんたらの話なんか、だれも信用していない。このままほとぼりが冷めるまで、おためごかしの被災者同情を振りまき続けていたとしても、ごましきれると思うなよ。

なぜノーチェックで、加害当事者である政府や東電の言い分を流したのか。人を包丁で突き刺した殺人犯が、ただちには死なない、などと言うのを、そのまま記事にするバカ記者がどこにいるよ。報道機関に専門知識が無かった、などという言いわけが通用するか。まともな専門家に聞きもしなかったじゃないか。それどころか、トンデモな連中に、トンデモな解説をさせ、混乱と誤解とウソを助長させただけ。あの日、あの時、誰が何を言ったか、司会者やコメンテーターを含め、私たちはけっして忘れてはいないぞ。

今回の大誤報、歪曲報道の背景として疑われている買収の問題はどうする。報道機関がカネで身を売っていたとなれば、放送免許停止こそが当然だ。まして、この重大事故の後でも、いまだに電気代だの、広告費だの、加害者側の電力会社のおこぼれにぶらさがっているなら、人間として頭がおかしい、としか言いようがあるまい。いったいどうやって、これから先に、公正、中立、客観の報道ができると思うのか。

誰の味方なのか、立場をはっきりしろよ。視聴者を集めているから、広告が売れるんで、視聴者がそっぽを向いたら、出稿するスポンサーも無くなるぞ。実際、ネット上の人々は、英語やドイツ語、中国語、その他の言語圏の情報ソースの方が依存度が高くなってしまっている。政府発表やマスコミの話より、シロウトが自分たちで勝手に測定したデータの方が信頼性が高くなってしまっている。この状況で今のテレビや新聞は、危機感を持たないのか。それなら、まさに東電と同じだな。かってにしろ。

もしまだ既成組織の腐敗に染まっていない若手のまともな報道人がいたなら、よく考えてみろ。どうして海外の報道人の中に、少なからず初日から状況を的確に把握できていた連中がいたのか。彼らがどういう情報源を使ったのか。いや、特別ななにかなど、ありはしない。大阪地検じゃないが、自分たち自身の眼の曇りほど、恐ろしいことはないぞ。すべての先入観を絶ち、きちんと自分自身の眼と耳を働かせ、冷静に自分自身の頭で考えればいいだけだ。爆風が水平に広がるか、垂直に登るか、の違いだけでも、爆発元の深さがわかる。細々とした情報をできるだけ多く集め、それらを、もう一度、組み直して、そのすべてが整合的になるところに真実はある。ひとつひとつは口から出まかせで人を煙に巻けても、全体まではウソはつじつまを合わせをできはしない。

報道の仕事の原点を思い出せ。悪人はウソをつくものだ。眼や耳は、見えないもの、聞こえないものを、存在もしないと思わせるものだ。そして、なにより、人間の心は権威には弱いものだ。だが、その弱さを乗り越え、真実に迫ってこそ、報道としての社会の使命じゃないのか。

いま、自分たちの報道組織の内部に腐敗があり、今回の大誤報をごまかしてやり過ごそうとするなら、まずその問題にこそ眼を向けるべきだ。そこから眼を背け、今回、報道をゆがめようと社内でうごめいた連中を自分たちで自浄できないなら、今後、だれひとり報道人として、生きて口を開く資格はない。


by Univ.-Prof.Dr. Teruaki Georges Sumioka 純丘曜彰教授博士 (大阪芸術大学芸術学部哲学教授、東京大学卒、文学修士(東京大学)、美術博士(東京藝術大学)、元テレビ朝日報道局『朝まで生テレビ!』ブレイン)